フリー台本（ボイスサンプル用原稿）【短いバージョン⑧】

あら？

こんなところに人が倒れているわ。

ねえ、あなた、大丈夫？

え？　お水？　ちょっと待っててね。

ダメよ！

あの町は危険なの。

絶対に近づいちゃいけないって、お父様も言っていたわ。

ねえ、考え直して。

お兄様、わたくしも戦います。

見ているだけは、もうたくさん。

もちろん、剣の腕には自信がありますわ。

旅人さん、どうか村の者たちを助けてください。

このままでは、水も飲み物も、なくなってしまいます。

なんとかして、魔王を倒さなくては。

お願いします。私たちも協力しますから。

なあ、そこのあんた。

町までの道を教えてくれないか？

ああ、怪しい者ではないから安心してくれ。

北の谷にある魔法の花を探してるんだ。

とちゅうで、森で迷ってしまってね。

いかん。奴が目覚めるぞ。

このままでは、町が……いや、世界が滅びてしまうぞ。

おい！　あの男を呼んでくれ。今すぐにだ。

無理だよ。

僕は、頭もよくないし、力もないし、ただの平凡な男なんだ。

誰かと戦うんなんて、できるわけない。

もう、放っておいてくれ。

ひょっとしたら、罠かもしれない。

君はどう思う？

……そうだね。ひとまず、村に戻ろうか。