当ページ(ボイスサンプル原稿)に限っては、クレジット表記は必要ありません。
また、自由に編集して、ご自分にぴったりの原稿に仕上げていただくことも可能です。
ただし、以下は禁止しております。
- 再配布
- 転載(コピー)
- ボイスサンプル以外での使用
※著作権は、紺乃未色(こんのみいろ)に帰属します。
ボイスサンプル以外の目的で使用したい場合は、編集不可・クレジット表記必須です。
また、当ページ以外のフリー台本については、利用規約が適用となるため、ご注意ください。
フリー台本【秋バージョン①】
秋のフリー台本(原稿):森のリス
ああ、忙しい!
忙しいったらありゃしない!
冬眠にそなえて、もっと木の実をあつめなくっちゃいけないわ。
あ、あれはお隣のシマリスさん。
「ごきげんようー! あちらにどんぐりがたくさん落ちているところがありましたわよー!!!」
聴こえたようね。よかったわ。
あ、そうだわ!森のはずれに住んでいるマダムにもお伝えしておこうかしら。
ああ、忙しい! 忙しくてたまらないわ。
今年も冬が来るまで休めそうにないわね。
でも、いいの。
こうやって森を駆けまわっている方が、あたしの性(しょう)に合っているもの。
秋のフリー台本(原稿):月に帰りたくないかぐや姫
ぜったいに、いやですの!
あんな窮屈な月の世界になんて帰りませんわ。
わたくしは、この者の家で暮らしますの。
何度、船で迎えにきてもおんなじですわ。
ばあやならわかってくださるわよね?
「月でお父様とお母様が待っているから……」ですって? よくいうわ。直接迎えにくることもなく、ばあやと遣いをよこしているだけじゃない。
とにかく! なにをいわれようとも戻りませんから。
ほら、もう夜が明けますわ。
今日は大人しく、帰ってちょうだい。
秋のフリー台本(原稿):公園の池のカッパ
こんばんは、人間の旦那。
こんな町はずれの公園のベンチで、一人なにしているでやんす?
おや、お月見ですかい。なんとも奇遇ですな。
吾輩も同じ目的で池から上がってきたのでやんす。
今宵は満月。ここから眺める月は、なんともいえぬ美しさ。まあ、それももう見納めでやんすが……。
あ! ところで、旦那、吾輩のことが怖くないんで? 見ての通り、人間が恐れるカッパでやんす。
「自分とおんなじように月を見ているから悪い奴じゃない……」ですかい?
くはっ。へんな人間もいるもんですな。
たしかに吾輩は悪さはせんです。
もうすぐこの公園の池を去る……しがないただのカッパでやんす。