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ー表記内容ー
台本名 | 当ページのタイトル |
作者名 | 紺乃未色(こんのみいろ) |
サイト名 | フリー台本サイト「キャラコエ」 |
台本URL | 当ページのURL |
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概要
カテゴリ | 練習用台本(一人) |
---|---|
キャラクター | 女性・20代(一人語り) |
ジャンル | 現実世界 |
設定 | 大学生の主人公は、床下の宇宙に思いを馳せる。 |
注意 | このストーリーはフィクションです。実在する人物や団体、出来事などとは一切関係がありません。 |
練習用台本「床下の宇宙」
シーン①
寝室の床。それは真空世界への秘密の扉だ。
ノックをすると響き渡る低重音は、まるで貫録ある古い館の歴史を語り聞かせているよう。
胸が高鳴りそっと耳を澄ましてみても、無音と言う名の返事しかない。
きっと向こう側の世界には、眩い光を放つ星々の絨毯が広がっていて、ひとつの美しい芸術作品を創り出しているのだろう。
私が易々と立ち入ってはならない領域が、実は板一枚挟んだ場所にひっそりと存在するのかもしれない。
シーン②
先日、大学の教授が言っていた言葉を思い出す。
「生きていると、ときに理解できない人間に出会うこともあります。そのような場合には、お相手を宇宙人だと思い、新たな知識を吸収するよう努めて下さい」
だったっけ。
ああ、納得。
彼は宇宙からきたのか。
最近、ちっとも理解できないルキトのことを思い出す。
ふらふら遊んでいるように見える年下の彼は、いったいなにを考えているのだろう。
シーン③
紫陽花の葉にカタツムリ。
小雨の粒が時々葉を揺らす。
カレンダーの6月のページの写真にありそうな、いかにも梅雨って感じの光景だ。
私は傘を首と肩の間に挟み、バッグからスマートフォンを取り出した。
カメラを向けてぱしゃり。
我ながらなかなか素敵なアングルだと思う。
一年前なら、ルキトにメッセージを添えて写真を送っていただろう。
今の私には、そこまでの気持ちがない。
やっぱり、別れた方がいいのかもしれない。小さくため息をつくけど、それは、雨の音にかき消された。
シーン④
夢のなかのリクトは惑星についてさまざまなことを教えてくれた。
惑星に住んでいる知的生命体は地球の人間と同じ形をしているけれど、全体的にはもう少しスリムなんだとか。
それから、ペガサスみたいな生き物が飛んでいるんだとか、知的生命体は花や木々と意思疎通が可能だとか。
そんな感じ。
彼の話はとても興味深かった。