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ー表記内容ー
台本名 | 当ページのタイトル |
作者名 | 紺乃未色(こんのみいろ) |
サイト名 | フリー台本サイト「キャラコエ」 |
台本URL | 当ページのURL |
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概要
カテゴリ | 練習用台本(一人) |
---|---|
キャラクター | 男性・20代(一人語り) |
ジャンル | 現実世界 |
設定 | 幼馴染が自殺した。ひっそりとした葬儀のなかで、主人公は彼のことを思い出す。 |
注意 | このストーリーはフィクションです。実在する人物や団体、出来事などとは一切関係がありません。 |
練習用台本「幼馴染の葬儀」
シーン①
葬儀は家族とごく親しい者だけでおこなわれた。
葬儀場には人がぽつぽつと遠慮がちにたっていて、タイチの妹が一人ひとりに挨拶していた。
違和感を覚えて、すぐになるほどと思った。
喪服のサイズが合っていないのだ。
きっと、母親にでも借りたのだろう。
昔は、よくタイチのお下がりを着ていたっけ。
三人で遊ぶこともあったな。
虫を採ったり、魚を釣ったり、そんなありきたりなことばかりしていた。
なんてことない、だけどけらけら笑って楽しい日々だった。
シーン②
タイチの母親の足は、栄養が足らず、細くなった小枝みたいだった。
黒いストッキングに包まれているものだから、本当にそう見える。
たぶん、食事がのどを通っていないのだ。
俺の知らない人たちが、彼女の肩を摩り、声をかけている。
心配になるのも無理はない。
でも、俺はこういうとき、なにを話したらいいのかがわからない。
あちらも同じ気持ちなのか、まだ控えめなアイコンタクトを交わしただけだ。
そろそろ、挨拶に行かなくては。
シーン③
タイチの性格は、ひとことで表すならお調子者だ。
あるいはムードメーカーとでもいうべきか。
中学校の野球部ではキャプテンを務めていたし、生徒会にも入っていたと記憶している。副会長だったっけな。
もちろん、女子にもよくモテた。
バレンタインには、俺がチョコレートの運び屋になったこともある。
あのときのみじめさは、あまり思い出したくない。
シーン④
タイチの妹からメッセージが届いたのは、葬儀から1ヶ月が経った頃だった。
どうやら、遺品整理をしていたら、俺に借りたと思われる漫画が出てきたらしい。
そういや、ずいぶんと前に貸していたような気もする。
近くのカフェで待ち合わせをしたものの、どんな顔をして会えばいいのかわからない。
いったい、なにを話せばいいというのだ。