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ー表記内容ー
台本名 | 当ページのタイトル |
作者名 | 紺乃未色(こんのみいろ) |
サイト名 | フリー台本サイト「キャラコエ」 |
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概要
カテゴリ | 朗読(一人) |
---|---|
ジャンル | 現実世界 |
時間(目安) | 20分~35分 |
あらすじ | わたしは同じクラスの柳瀬(やなせ)君のことをひっそりと気に入っている。 でも、彼の正体は、恐竜かもしれないんだ。 どこにでもいる中学生の、なんてことない小さなおはなし。 |
注意 | このストーリーはフィクションです。実在する人物や団体、出来事などとは一切関係がありません。 |
その他、朗読におすすめの台本は、以下のページにまとめています。
フリー台本『トリケラトプスの恋』
1
草原は赤く染《そ》まっていた。
乾いた土の上、いたるところに生《は》えているのは、根の太そうな草たちばかり。
ここから一ミリも動きません! と主張しているように見えるのは、宇宙から落ちてきて、そのまま土に突《つ》っ込んだんです、といわんばかりの岩々だ。
そのなかをトリケラトプスが歩いている。
「源川《みねがわ》さん!」
歴史教師に名を呼ばれ、はっとする。
まっくろな、二つの瞳《ひとみ》がこちらを見ている。
「は、はい!」
先生のくるんとカールした毛先《けさき》が視界に入り、わたしはぼんやりと、アンモナイトみたいだ、なんて感想を抱いた。
「わかってると思うけど、ページがぜんぜん違うわよ」
わたしは慌てて、指先で紙をめくった。
「すみません……。えっと……」
「七十八ページ」
アンモナイト先生は、ぴしゃりとそう言って、黒板のところへとかえっていった。
さっきまで眺《なが》めていたのは、教科書の表紙の裏のところ。
地球の誕生について、本当にざっくりとだけど、説明が書いてある。
歴史の授業中、このページを見ながら、太古《たいこ》に思いを馳《は》せるのは、わたしのひっそりとした楽しみのひとつ。
母によると、昔から、恐竜の図鑑《ずかん》を手放さなかったらしい。
わたしはどうやら、うさぎやねこみたいな愛くるしい動物たちよりも、たくましさを感じられる生き物のことが好きみたいだ。
「はい。じゃあ、今日はここまで」
アンモナイト先生がそう言うと、返事をするようにチャイムが鳴った。
2
あ、また、外見てる。
わたしの視線の先にあるのは、柳瀬《やなせ》くんの大きな背中だ。
彼はいつも、東校舎《ひがしこうしゃ》二階の教室の窓から、外を眺めている。
そこだけ、空気が違うことがすぐにわかる。
中学校のがやがやした教室じゃなくって、ビジネスビルだとか、大きな病院の一室だとか、そういうちょっぴり、落ち着いていて、わたしにとっては、手や足がむずむずしそうな場所を連想《れんそう》してしまう。
「なに、見てるんだろう」
最初は、そんな小さな好奇心《こうきしん》だったはずなのに、いつからか目が離せなくなっていた。
窓の外を眺める彼の、ごろっとしたノドボトケと、赤ちゃんみたいな柔らかそうなほっぺたの非対称的《ひたいしょうてき》な感じ。
ええっと、こういうのアンバランスっていうんだっけ? そういうのが、なんだかすごくいい。
彼の、穏やかで優し気《げ》な視線の先にあるものを想像するたび、わたしのなかでは、むくむくとよくわからないものがふくらんでいった。
ねえ、視界にはなにが入っているの?
いったい、なにをみてそんな表情しているの?
「なにが見えるの?」
あるとき、教室にいる人の数が少ないタイミングを狙って、わたしは思い切って柳瀬《やなせ》くんに尋ねた。
「自由が見えるんだ」
彼は、ちらっとこちらを見てそれだけ呟くと、また沈黙《ちんもく》を守り、視線を窓の外へと戻してしまった。
……自由?
その二文字が頭のなかをぐるぐるまわる。
彼は不自由なんだろうか?
そんなことを考えてみるけれど、真相《しんそう》はわからない。
ただ、それからというもの、教室の窓の向こうに見える風景が、銀色のフチに四角く切り取られてしまったような気がしてしまう。
本当は、無限《むげん》に広がっているのに、わたしたちが見ることができるのは、ほんの一部分だけ。
3
柳瀬《やなせ》くんの成績は優秀だ。
廊下にはり出されるテストのランキング表を見ると、だいたいどの教科も十位以内のところに名前がある。
それだけじゃない。スポーツだって万能《ばんのう》だ。
ほかの子たちよりもひとまわり大きな体格をいかして、球技《きゅうぎ》ではパワフルにボールを捌《さば》く。
スピードだって、小柄な男子に負けてない。
まさに、エース的ポジション。
「柳瀬《やなせ》、お前、勢いがすごいよな。バスケで向かってこられると、怯むもん。俺」
「そう?」
「味方チームならいいけどさ、敵だとまじ辛い」
「はは、大袈裟な」
柳瀬《やなせ》くんは、困ったように笑う。
あれは、よく見る表情だ。
彼は、できることが多いからって、ふんぞりかえることもない。
いつだって、こう、なんていうんだろう。
淡々《たんたん》と、すべてのことをこなしている。
先生から褒められることも、友達から頼りにされることも、ぜんぶ、一度はちゃんと受け止めるんだけど、すぐに横にすとんと置いて、自分はそそくさとどこかに去ってしまう感じ。
そんな彼は、当然《とうぜん》、みんなから好かれている。
それはわたしにとって、ちょっぴり面白くないことでもあった。
教室のすみで大人しくしているわたしにとって、彼はとても遠い存在だ。
近いのに遠い、遠いのに近い、わたしはそんなやるせなさをため息にのせることしかできない。
4
ある秋の日の放課後、わたしは廊下で柳瀬《やなせ》くんの姿を目撃した。
窓からはオレンジ色の夕陽《ゆうひ》が差し込み、廊下をてかてかと照らしている。
そのなかを、彼は悠々《ゆうゆう》と歩いていた。
「……トリケラトプスみたい」
わたしは思わず呟いた。
廊下の人工的《じんこうてき》なグリーンでさえもが、その一瞬だけ、太古《たいこ》の草の海に見える。
もしかしたら、彼は、はるか昔からタイムスリップしてこの世界にやってきたのかもしれない。
人間の姿に変身しているだけで、正体は恐竜《きょうりゅう》なのかも……。
そのとき、わたしはどうして、柳瀬《やなせ》くんのことが気になるのか、わかったような気がした。
5
「凛子はさあ、好きな人とかいないわけ?」
美咲はさっきまでクリームパンがはいっていた袋をくるくると丸めながらそう言った。
彼女は退屈《たいくつ》しているとき、こうやって、なんでもかんでも小さく折り畳《たた》もうとする。
「なに? 急に」
わたしは、リンゴジュースのパックを潰《つぶ》しながら尋ねる。
甘酸っぱい香りが、ほんのりとあたりに漂った。
「いやあ、なんとなく。凛子ってあんまり、そういうの話してくれないじゃない」
「えー。べつに、話すことがないからさあ」
お腹がいっぱいになって、体はポカポカあたたかい。
わたしはのんびりとした口調で、言葉を返し、ひとつあくびをした。
このまま、五時間目がはじまるまで、机につっぷして眠ってしまえたら、どんなに心地いいだろう。
「ふうん。じゃあさ、どういう人がタイプなの?」
「……トリケラトプスみたいな人」
「え? なんて」
小さく丸まっていたクリームパンの袋が、机の上に広がり、まぬけな音を立てる。
「トリケラトプス」
「……ごめん。あたし、意味わかんない」
美咲が言った。
「だよねえ」
「……凛子、あんた、変わった子だと思ってたけど、まさかそんなとこまでぶっとんでんの?」
「なによ? 悪い?」
「いや、いいのよ。うん、いいと思う」
美咲はしばらく、喉《のど》を鳴らして笑った。
そして、なにかを思い出したかのように、急に真顔へと戻った。
「え? なに?」
「変わってるといえば、ほら、柳瀬《やなせ》くん……」
美咲の口から、彼の名前が飛び出してきたものだから、肩が跳ねそうになるのを、ぐっとこらえる。
「柳瀬《やなせ》くん?」
「水瀬《みなせ》さんに、告白されたらしいよ」
「え?」
わたしはとっさに、柳瀬《やなせ》くんの席を見る。
「大丈夫。まだ、彼、戻ってないから」
「それで、どうなったの? 付き合った?」
「うん、ふられたって」
その四文字にそっと、肩の力を抜いた。
「そう」
「……ねえ、凛子。なんだか動揺してない? もしかして……」
美咲が意味ありげにふふんと笑う。
「い、いや違うよ。たださ、びっくりしたの」
「ふうん。それにしてもさ、あの水瀬《みなせ》さんをふるなんてねえ」
美咲の言う通りだ。
「うん」
水瀬さんは可愛い。
よく、男子と女子の可愛いは違うとかいわれているけど、そんなの、彼女にはあてはまらない。
ショートボブヘアに、くりくりとした大きな瞳。ついでに、いつもラベンダーのような花の香りがする。
誰が見ても、守ってあげたくなるような愛くるしい感じ。
そう、子リスみたいな。
「まあでもさ、たしかに、柳瀬《やなせ》くんと水瀬《みなせ》さんが並んでるのって、あたし、あんまり想像つかないかも」
美咲は、すでに会話に飽きたのか、首を回しながら言った。
「ああ。それは、わかるかも」
彼はトリケラトプスだ。
となりにいるべきパートナーも、また、恐竜《きょうりゅう》のように頼もしくなくてはいけない。
そんな気がした。
わたしには無理だ。
だから、こうやって、遠くから見つめて、ときどき会話ができる関係が心地良い。
お付き合いだなんて、夢のまた夢。
べつに、そういうのは、いいんだ。
だけど、少し気になった。
トリケラトプスの恋は、いったい、どんなものなのだろう?
6
その日は、雨だった。
分厚《ぶあつ》い雲が空の隅々《すみずみ》にまで広がっていて、街はざらばん紙みたいな色に包まれている。
水の滴《したた》る傘の群れをかきわけるのがイヤなわたしは、いつもより少し早く登校することにした。
スニーカーのなかに、遠慮《えんりょ》なく染みこんでくる水が気持ち悪い。
靴下のなかでつま先は冷えるし、かかとはカチカチ。
こんなんだから、空と同じく、わたしの気分もまったくもって晴れる気配がない。
「寒っ」
土っぽい匂いのする廊下《ろうか》には、朝のキンとした空気が漂っている。
震えそうになる肩を両腕で抱き込むようにして、わたしは、教室へと急ぐ。
「え」
小さく声が漏れる。
柳瀬《やなせ》くんの大きな背中が、そこにあったからだ。
トリケラトプスみたいにたくましくて、ほんの少しごつごつとしている。
今、その盛り上がった背骨のところにそっと触れたら、きっと温かいんだろうな。
わたしの足は、彼に吸い寄せられるように、雨粒のたくさんくっついた窓のもとへと向かっていた。
ほかに、人は誰もいない。
好き。
わたしは、むしょうに、そう告白したくなった。
今が、チャンスかもしれない。
「今日も、自由が見えるの?」
静かに声をかける。
「うん。見えるよ」
柳瀬《やなせ》くんは、窓ガラス越しに外を見つめたまま、そう言った。
彼の視線の先を追うものの、雨のせいで、視界には灰色のモヤがかかっている。
気力を失くしたグラウンドが、どんよりと、向こう側にあることだけが、たしかだった。そんな、雨の日の、ありふれた光景を目にしたとたん、わたしは我に返り、頭が冷えていくのを感じた。
夢から覚めて、現実の世界に引き戻されたかのよう。
なにを、告白だなんて馬鹿げたことをしようとしていたんだ!
首をぶんぶんと振っていると、小さな笑い声が聞こえてきた。
「えっと、その……」
なんでもない、と言いそうになるのを遮ったのは、柳瀬《やなせ》くんの言葉だった。
「ここから外を眺めているとね、なんだか元気になるんだ」
「あ! 自由が見えるから?」
わたしはさっきのヘンテコな言動をごまかそうと、大袈裟なくらいに、声を張り上げた。
「そう。木の葉っぱが揺れているのとか、小鳥が枝の上を歩いているのとか、大きな雲が風に流されているのを見るとね、今いる場所の外側を見ている気になれるんだ。ええっと、なんていうのかな、自由な世界。それから、僕も、いつかはそこまで行けるんだって思えてね、ワクワクするんだ」
柳瀬《やなせ》くんは、珍しくよく話した。
「……自由。そっか。うん」
「こういうこというと、変わってるっていわれるんだけどね」
柳瀬《やなせ》くんは、困ったように笑った。
その横顔を見ながら、頬がカッと熱くなるのを感じた。
この四角い窓のフチは、彼を縛るものなんかじゃなかったんだ。
むしろ、自由を見せてくれる魔法の鏡だったんだ。
わたしは柳瀬《やなせ》くんのこと、ぜんぜん、わかっていなかった。
心のどこかで、自分だけが彼を理解してあげられるかもしれないだなんて、思いあがっていた自分をぶん殴りたい。
「ただね」
「え?」
柳瀬《やなせ》くんがポツリと呟く。
「今日は、いつもと景色が違うんだ」
それは、雨が降っているからだとかいう単純な理由ではないんだろう。
だって、彼の声は、さっきより小さく、弱弱しくなっている。
「……そうなんだ」
わたしは、柳瀬《やなせ》くんが「景色が違う」と感じているワケを知りたかった。
でも、さっきの羞恥心《しゅうちしん》が顔をだして睨《にら》んでくるんだ。
柳瀬《やなせ》くんから理由を聞いて、ひとりで妄想を繰り広げ、万が一にでも変なことを言ってしまったら、もう立ち直れない。
そんなことを考えているうちに、足音が近づいてきた。
ふりむくと、美咲《みさき》がにんまりと笑っていた。
一時間目は、歴史の授業だった。
チョークの先が黒板を叩く音が、教室中に響いている。
わたしはぼうっと窓の外を眺めながら、今朝の柳瀬《やなせ》くんとのやりとりを思い出していた。
ちらっと後ろを振り返り、柳瀬《やなせ》くんの席を見る。
もう、彼がトリケラトプスに見えることはなかった。
はるか昔から、タイムスリップしてきただなんてことも思わない。
柳瀬《やなせ》くんは人間だ。
わたしと同じように、悩んだり、落ち込んだりする人間なんだ。
7
一週間後、柳瀬《やなせ》くんは転校した。
少し前のわたしであれば、元の世界に戻ってしまったなんて、バカげたことを考えてしまいそうだ。
「寂しくなるね」
美咲《みさき》がぽつりと言った。
「うん」
柳瀬《やなせ》くんがよくいた窓辺で小さく頷く。
おんなじ景色が見えるかと思ったけれど、それは叶わなかった。
彼の見ていた自由が、わたしの視界《しかい》には映らない。
「柳瀬《やなせ》くん、どこに行ったんだろうね」
「さあ。わからない」
「そっか。そうだよね」
美咲は珍しく、パンの袋を折り畳《たた》むこともなく、鏡を覗き込むこともせず、ただただ話し相手になってくれた。
「うん」
柳瀬《やなせ》くんについては、いろんなウワサが立っていた。
両親が離婚《りこん》したとか、家族みんなで夜逃げしたとか、よくない話ばっかり。わたしはどれも信じるつもりはない。
柳瀬《やなせ》くんがいなくなった。それだけが、事実だ。
どうか、彼がどこかで幸せに暮らしていますように。
わたしにはそう、願うことしかできない。
8
柳瀬《やなせ》くんの姿をふたたび目にしたのは、彼が引っ越してから、三年半くらいが過ぎた春のことだった。
すでにわたしには彼氏がいて、妄想癖《もうそうぐせ》も相変わらず。
彼、夕貴《ゆうき》と二人で窓辺《まどべ》にいるときは、なんてことない銀色のフチが、わたしたちを高校の一室から切り離し、二人だけの世界に閉じこめてくれているような気すらしている。
そんな学校生活を送っていたある日の昼下がり。
わたしは、夕貴《ゆうき》と手を繋いで、川辺を散歩していた。
「あっ」
ゆるやかに流れる川の向こう岸に、柳瀬《やなせ》くんはいた。
隣には、髪の長い女の子の姿があった。
二人で、木のベンチに並んで座り、なにやら話している。
わたしはすぐに彼だとわかった。なぜって、そのときの彼の雰囲気をよく知っていたからだ。自由を見つめる、穏やかな表情……。
「どうした?」
突然、黙り込んだからか、夕貴《ゆうき》が顔を覗き込んでくる。
「なんでもない」
柳瀬《やなせ》くんは、わたしのことに気づいていない。
それで、いいと思った。
頭のなかには、彼との教室でのやりとりが浮かび上がってくる。ずっと、心のどこかにひっかかっていた、雨の日の、彼のか細い声と言葉……。
よかった。幸せそうで。本当に……。
わたしはなぜだか、むしょうに泣きたくなって、夕貴《ゆうき》の手をぎゅっと握った。
春の風が川の表面を撫《な》でて、桜の花びらを運んでくる。
おでこに桜がはりついてるぞ、と言って、夕貴《ゆうき》は笑った。
わたしもつられてくすくす声を立てる。
「なんか、ご利益《りやく》ありそう」
「だな。あ! 写真撮るぞ。そのまま、動くなよ」
柳瀬《やなせ》くん、あのね、わたしあのとき、好きだったんだ。
心のなかでひっそり告白する。
ああ、やっと、言えた。そんな風に思えて、なぜかほっとした。
「あっ! 飛んでった。せっかく写真撮ろうと思ったのにさ」
夕貴《ゆうき》はスマホを片手にしたままそう言った。
わたしのおでこにくっついていた花びらは、川の向こう側へと踊るように流れていく。
「それは残念!」
今、隣にいるのが、柳瀬《やなせ》くんだったら、とは思わない。
ただ、彼が元気でいてくれた。その事実が、ずっとわたしのなかでくすぶっていた塊《かたまり》をそっと溶かしてくれたような気がした。
「あ、あっち、満開っぽい」
夕貴《ゆうき》がぐいっと手をひっぱる。
わたしはそのあとに続きながら、こういうのって、青春ドラマの恋人っぽいな、と思った。
ふいに、いつの日か、妄想した「トリケラトプスの恋」という言葉を思い出す。
わたしは、ちらっと振り返り、ベンチに腰掛けている二人の姿を見た。
「ふふふ」
あのときのわたしに、伝えなきゃ。
トリケラトプスの恋は、あたたかくて、ほのぼのしていて、優しいんだよって。
まあ、柳瀬《やなせ》くんは、人間なんだけど。
完