フリー台本（ボイスサンプル用原稿）【短いバージョン⑭】

あら？

ここはどこかしら？

ずいぶんと大きな建物に、よくわからない乗り物……。

あれは、馬車ではないわね。

それに、みなさま、とても急いでいらっしゃる。

どなたか、話を聞いてくださる方はいないかしら。

なに？

この世界の者たちは、剣（つるぎ）を持っていないだと？

それでは身を守れんではないか！

いかんぞ、それでは。

ようし、特別に、俺が稽古をつけてやろう。

うわああああん。

ここはどこーーーー？

なんか、変な世界に来ちゃったよう。

早く、森の小屋に帰らないと、ママに怒られちゃう。

なあ、兄貴。

俺たち、意味のわからねえ世界にきちまってますぜ。

二足歩行の変な生き物がそこらじゅうに生息してやがる。

どうするか、考えねえと……。

くそう！

魔界でもトップ10の成績の俺様が、人間界で修行だと？

お父様はいったい、何を考えてるんだ！

ここは、暑いし、ムシムシするし、最悪だ。

はあ……。仕方ない。さっさと手柄をあげて、魔界に帰ることにするか。

この人間！

あたいのことが見えてないのかい？

これはとんだ計算違いだ。

もう、この世界の者たちは、妖精を信じてすらいないんだね……。